福井、再起へダッシュ 自信の守備アピール

NNSanfre2005-01-29

 ■巨人戦力外 トライアウトで入団

 今季、広島に加入した福井が、キャンプ初日から猛アピールを続けていく構えだ。
「新顔は注目される。出だしからいい動きを見せていく」と、
きっぱりと話すプロ入り10年目の28歳。
昨年オフ、巨人を戦力外となった男の再起に懸ける思いは熱い。

 189センチ、87キロの巨体。「守りが長所」と言うだけあって、
ノックでの捕球と送球は安定している。巨人時代、内野の全ポジションを経験し、
ここ3年間は守備機会150回で失策はわずか3。
「沖縄入り後、捕球が一定してきた。
この状態を続ければ、首脳陣にアピールできる」と自信満々だ。

 一方、「本調子でない」と認める打撃では、右打ちを徹底。
同い年の嶋のスイングを食い入るように見つめ、
「いい打者を見るとイメージがわく」と謙虚に言う。

 ひたむきな姿は「広島に救われた」との感謝の気持ちがもたらした。
昨年11月の12球団合同トライアウト。本塁打を放つ活躍で、広島の目に留まった。
この時、全国中継されている試合でも動じなかった男の脚は、緊張で震えていたという。
「地獄から生き延びた感じだった。あの経験は僕の財産になる」と言い切る。

 気温が20度を超す沖縄。半ズボンの選手が目立つ中、
決まってくるぶしまであるジャージーを着用する。
「球が当たってけがする可能性もある。巨人時代からこうしてきた」。
苦労人がそのエキスを広島に注入する。(中国新聞